一体,何が始まるのか分からなかった。不安で一杯!!
皆,うろうろしてる。色々覗き込まれた。僕をじーっと見ていた髪の長い女の人。
あちこちから角度を変えて見てる。恥ずかしいなぁ…あ,あっちに行った…あ…また戻って来た…
時間が来て,皆が気に入ったワンコの番号を書いてBOXに入れた。
次々と引き取り手が決まる仲間達。僕の順がやって来た。なんと,3組の希望者が僕についた。
くじ引きで決まるらしい。最後のくじを引いた人に決まった。それが髪の長い女の人。
手続きを済ませて,僕を抱っこして記念撮影。このときから,兄妹とは別れてしまった。
だっこされたまま,車に連れて行かれた。不安一杯で,ちょっと逃亡したけれど,すぐに捕まっちゃったよ。
だって,4kgしかない子犬だったから。センターは街から離れた山の中に在ったから,道はくねくね。
車の中のダンボールに入れられてたけど,脱出して助手席で丸まってた。不安で,怖くて仕方なかった。
頭や体を撫でてくれたけれど,泣きたかったね。
途中でホームセンターに寄って,首輪とリードを買ってくれた。これで僕も捨てワンコじゃなくなったんだ。
新しいお家に到着。女の人の両親と,お姉ちゃんと4人家族の一員になった。
名前を色々言われたけれど,『幸』の字を入れたかったらしい。幸せになってと言う願いがあったらしいんだ。